平成11年度 業務実績

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受託業務実績

阪神・淡路大震災教訓情報集の作成 国土庁/(財)都市防災研究所

今後、将来にわたって防災関係者等に伝えるべき阪神・淡路大震災の実態について、発災から復興に至る過程全般を対象に、各段階における「発生した事態」「対応」「課題」を関連文献から収集し、これらを理解し活用しやすい形で整理した。

震災時の緊急救援物資の確保・提供方策の検討 消防庁/(財)地域活性化センター

大規模災害時の食糧・物資確保には、独自備蓄の目標設定と実施、各種団体等との連携、また、輸送手段の確保・輸送拠点の設置などの対策が必要である。本調査では、アンケートにより対策の現状を把握し、阪神・淡路大震災等の事例分析と併せて、今後実施すべき対策を示した。

地震被害データ・想定手法に関する整理 A社

原子力発電施設における安全目標を検討するための基礎資料として、過去の我が国における地震15事例について被害の各種データを収集し、その特徴等を整理した。また、既往の地震被害想定手法について収集した。

仙台市沿岸津波対策調査研究 (財)建設工学研究振興会

東北大学災害制御研究センターとの共同研究として、仙台市沿岸の津波危険区域における今後の対策を検討するための基礎調査を行った。国内先進地域における津波対策の実施状況を整理するとともに、岸地域の現地調査等を実施し、沿岸住民を対象とした説明会を開催した。

「被災者住宅再建支援制度」確立のための検討  自然災害被災者支援促進協議会

「被災者生活再建支援法」制定時に課題となった住宅再建について、法律、経済、防災、ジャーナリストなどの学識経験者からなる研究会を設置し、新制度創設の必要性、支援基準、年間必要額の試算、原資の調達を含めた運営システムなどについてとりまとめた。

雲仙普賢岳砂防指定地利活用整備計画検討  (財)砂防フロンティア整備推進機構

導流堤や砂防ダム等の砂防施設は、新たな地域の財産であり、その有効な利用・活用は大きな課題である。本調査では今後の砂防施設との共存について住民意識を把握し、行政との連携方策を検討した。また、一般の利用者を想定し、安全啓発が必要となる箇所を現地調査により抽出・整理した。

岩手山火山対策調査  建設省東北地方建設局岩手工事事務所

前年度の緊急対策に続き、避難生活期から生活再建期の活動を対象とした中・長期対策の指針を策定した。既に策定されている異常データ観測・活動活発期、避難期における対策指針と併せて、「岩手山火山防災ガイドライン」として集大成し、約 100 項目にわたる防災対応の指針を示した。

雲仙復興工事事務所記録誌  (財)砂防地すべり技術センター

噴火からの 10 年間の記録を砂防事業という観点から整理した。ハザードマップの作成の経過や警戒区域の設定、地域住民と砂防事業との関わり、地域の再建と砂防事業との関係など、主に社会学的な視点からとりまとめている。

防災拠点運営委員会(地区防災会議)モデル事業実施業務補助委託  東京都中央区

大災害時において、避難所を拠点に複数の町・自治会が連携し地域の防災活動にあたる組織となる「防災拠点運営委員会」の発足を支援した。委員会では、民生委員や消防団、地元事業所等の参加も得て、具体的な組織づくりや災害時の活動、普段の取り組み等を示した「活動計画書」を策定した。

「静岡県原子力災害時の問い合わせ対応の手引き」作成  静岡県

「もんじゅ事故(95 年)」「動燃アスファルト固化施設火災爆発事故(97 年)」「JCO 事故(99 年)」等の事例から、行政機関の問い合わせ対応の課題と教訓を抽出した。それらを踏まえ、原子力発電所の緊急時における問い合わせ対応マニュアル(問い合わせ Q&A)を作成した。

ヒューマンファクターの観点からみた原子力防災訓練計画の検討 B社

自然災害などを対象に行政機関等で実施されてきた防災訓練の課題と教訓から、実効的な原子力防災訓練を実施するために必要な要件について検討した。その結果をふまえ、訓練対象者や訓練目的に応じた原子力防災訓練のあり方について提案した。

緊急時におけるヒューマンファクターの研究  (財)原子力発電技術機構/(財)労働科学研究所

状況認識(Situation Awareness:SA)と主観的緊急度の観点から、文献調査およびヒアリング調査を通じて、緊急時のチーム行動に関する検討を実施した。その結果、チームの緊急度を変動させる要因を抽出し、今後の緊急時対策等の課題について整理した。

組織事故発生のメカニズムと組織因子に関する研究  (財)原子力発電技術機構/(財)労働科学研究所

ヒューマンファクター分野で近年注目されている‘組織事故’防止のため、既往研究等の分析を行い、組織内における安全活動等に影響を及ぼす組織因子を抽出した。さらに、組織事故の発生メカニズムをモデル化し、このメカニズムと組織因子との関連性について整理した。

ヒューマンファクターの観点からみた事故・自然災害事例の分析 (財)電力中央研究所

地震災害・噴火災害等の自然災害や、航空機事故・鉄道事故等の事故災害において、ヒューマンファクター上の不具合により、被害状況が拡大した事例を収集・整理した。その結果をふまえ、原子力災害時における防災活動・危機管理の課題について検討した。

消防団員安全教育ビデオ(風水害編)企画・制作 消防団員等公務災害補償等共済基金

消防団員の公務災害防止対策の一つとして、消防団員の安全意識向上をねらいとした教育ビデオを作成した。ビデオの題材には、平成10年8月末、栃木県北部を襲った集中豪雨災害における栃木県黒磯市・那須町の消防団員の活動を用いた。

消防団員向け安全・健康カード企画・制作  消防団員等公務災害補償等共済基金

全国の約 96 万人の消防団員向けに、災害時活動、平常時の訓練・健康管理の安全のポイントを啓発するための手帳サイズのカードを企画・制作した。日々携帯し、訓練や現場出動の都度、声に出して読んでもらうことを意図し、短時間で留意事項をチェックできるデザインとした。

水害啓発ビデオ「河川災害の教訓」監修 (社)日本損害保険協会

(社)日本損害保険協会では、近年続発する水害の被害軽減を目指して、一般市民向けに日常の河川災害対策や水害から身を守る方法、被災後の注意などに関する啓発ビデオを作成した。これについて、情報収集や避難に関する部分を中心に監修を行った。

防災指導業務 ホテル・ニューアカオ

防災計画の作成、および定期防災訓練に対する指導、施設内の防災点検、社員への防災教育等を実施した。

その他の実績

災害調査
  • 平成 11 年 9 月 21 日台湾大地震
  • 平成 11 年 9 月 24 日台風18号に伴う高潮災害(熊本県宇土郡不知火町)
  • 平成 11 年 9 月 30 日(株)ジェー・シー・オー転換試験棟からの放射能漏れ事故
  • 平成 11 年 10 月 27 日~ 30 日の大雨被害(岩手県九戸郡軽米町)
講演会・研修会等 講師
  • 99/4 危機管理について(ダム・河川管理者)  (財)全国建設研修センター
  • 99/6 区市町村防災研修会(防災担当職員)  東京都
  • 99/6 北区土曜防災学校-再点検 防災知識-(一般)  東京都北区
  • 99/6 活火山地域での防災対策(長崎大学学生・一般)  土木学会
  • 99/6 新しい防災のまちづくり(市議会議員)  愛知県豊田市議会
  • 99/7 危機管理の課題-事例からの教訓-(建設省職員)  建設省建設大学校
  • 99/7 防災フェア ’99「自主防のつどい」(自主防リーダー)  東京都北区
  • 99/7 第14回 新しい安全管理の技術講習会 「緊急時の人間行動」(化学工業等企業安全担当者)  安全工学協会
  • 99/8 関西電力神戸支店安全圏推進会火力部会安全衛生大会 「緊急時の人間行動」(関電神戸支店関係者)  関西電力(株)神戸支店
  • 99/10 阪神・淡路大震災に学ぶ避難所生活(防災リーダー)  小田原市
  • 99/10 危機管理の課題(建設省職員)  建設大学校
  • 99/11 危機管理の課題 -事例からの教訓-(建設省職員)  建設大学校
  • 99/11 被災者住宅再建支援制度の創設について(国会議員)  自然災害から国民を守る国会議員の会
  • 99/11 災害発生時の諸問題(特別区職員)  特別区職員研修所
  • 99/11 イメージトレーニング(職員)  特別区職員研修所
  • 99/12 被災者住宅再建支援制度の創設について(国会議員)  民主党
  • 00/1 新宿区防災講演会(区民等)  東京都新宿区
  • 00/1 北区区民大学 ~阪神大震災から学んだこと~(一般)  東京都北区
  • 00/1 板橋区区民防災大学(区民防災組織)  東京都板橋区
  • 00/1 NPO 入門講座 -コミュニティの再生に向けて-(一般)  長崎県ボランティア協会
  • 00/1 大震災と市民防災のありかた(自主防リーダー)  東京都中央区
  • 00/2 防災実務者研修会 -阪神大震災の避難所生活に学ぶ-(教職員・区職員)  東京都大田区
  • 00/2 台湾大地震の教訓(議員)  北区議会
  • 00/2 北区土曜防災学校 -台湾中部地震よりの報告-(一般)  東京都北区
  • 00/2 大規模地震発生直後からの避難生活の安全確保(防災リーダー)  小田原市
  • 00/2 阪神大震災の避難所生活に学ぶ(団体代表者)  東京都大田区
  • 00/3 災害時の市民パワー ~助け合いのネットワーク~(女性防火組織幹部)  東京消防庁
  • 00/3 ヒューマン・マシン・システム研究部会総合講演 「社会科学的視点からみた原子力防災」  (社)日本原子力学会

研修会・ワークショップ等の企画・実施
  • 99/4- 避難所生活について  東京都足立
  • 99/5- 自主防災組織リーダー研修会  東京都北
  • 00/2 災害時に役に立つ自主防災組織の育成  埼玉県
  • 00/2- 地域防災リーダー研修会  東京都葛飾区
  • 00/2 災害ボランティア講習会   東京都

パネリスト・委員・学会活動等
  • 99/6市民とマスコミの対話集会  日本新聞労働組合、日本民間放送労働組合
  • 99/8 ’99道路防災シンポジウム「災害に強い地域づくり」  道路防災週間推進委員会
  • 99/8ラウンドテーブルディスカッション「災害と心理学」  東北心理学会
  • 99/101999年研究発表大会「JCO 事故特別セッション」  日本災害情報学会
  • 99/11大震災時における高速道路の役割   中部横断自動車道整備促進協議会
  • 00/2学校安全研究大会中学校分科会コメンテーター  日本体育・学校健康センター
  • 航空におけるヒューマンファクターの調査・研究委員会(整備分科会)  (財)航空輸送技術研究センター
  • ヒューマン・マシン・システム研究部会「JCO 事故調査特別作業会」  日本原子力学会
  • 「組織・体制等を考慮した製造物等のライフサイクルにおけるエラー未然防止に関する共同研究委員会  (社)電気学会

論文・学会発表・原稿等
  • 首藤由紀「リスクが受容されるとはどういうことか」安全工学Vol.38, No.3(1999.6)
  • 首藤由紀「避難所になった学校~阪神・淡路大震災における避難所~」高校教育資料No.209(1999.10)
  • 木村拓郎「雲仙普賢岳噴火災害の復興 ~安中三角地帯嵩上事業の記録~」砂防学会誌Vol.52,No.2(1999)
  • 木村拓郎「首都圏の地震対策は進展しているか」月刊日建連Vol.32,No.11(1999.11)
  • 小田淳一「防災における情報化」月刊日建連Vol.33,No.1(2000.1)
  • 八木絵香,首藤由紀「JCO 事故にみる原子力災害時の住民広報の課題」日本原子力学会2000 年春の年会(2000.3.29)
  • 高橋和雄,木村拓郎,西村寛史「島原市安中三角地帯嵩上げ事業と被災者の生活再建に関する調査」土木学会論文集No.644(2000.3)

発行・販売
  • 「Human Factors 安全の秘訣とは何か? ~無事故組織に学ぶ~」(本体 500 円 + 税))